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IBM対NTTデータ!!政府調達の苦情申し立てに対する見解
2009-01-27-Tue  CATEGORY: 政治・社会への雑感
たまにはコンサルタントらしい記事を書こう。

12月25日,政府調達苦情検討委員会が,「次期自動車登録検査業務電子情報システムの設計・開発業務」について,再調達の実施を言い渡した。システム開発においては初めての事例になる。苦情を受けると,検討のためにプロジェクトを延期せざるを得なくなるし,再調達の費用もばかにならない。これを受けて,今後の政府の情報システム調達をする上での対応を厳しく行う必要が出てくる。

<概要>
http://www5.cao.go.jp/access/japan/chans/shori20-12-25-j.html

当該事案の内容は次の通りである。既存システム業者であったNTTデータが,その最適化計画後の次期システムの入札において,IBMと競争入札を行った。その結果,提案書の評価点でIBMを上回り,NTTデータが次期システムの開発を落札した。しかし,それに対して,IBM側は当該調達の評価は不正であったと,政府調達苦情検討委員会に苦情を申し立てたのである。

この政府調達苦情検討委員会とは一体何なのであろうか。その説明には,話を一旦政府調達の枠組みに移したい。そもそも政府調達とはWTOにおける合意によって規定されている部分が大きい。クリントン政権時代,日本への輸出を増やしたいとする米国の規制緩和圧力と,WTOによる自由貿易化の圧力によって,WTO政府調達協定を結んだ。それにより,外資系企業も公平に政府調達に参加できることが求められるようになったのである。そのため,政府調達の公示文書は英語と日本語とで併記されており,また,入札の仕組もSDRという国際通貨単位に基づいて,実施されるものとなった。それによって,作られたのが政府調達苦情検討委員会である。

話を今回の事案の内容に戻る。今回の事案はIBMが自分達の提案書が公平に評価されておらず,既存業者に有利な評価が行われたという訴えから始まった。結果は以下の通りである。

1.センタ被災時における対応に関する提案
【IBM】
①具体的な業務フローがないため,検討できない。②前提にするべき事業継続計画がないため,具体的な提案はできないし,するべきではない。
【調達機関の主張】
①きり戻し運用などについて具体的な提案が無く,それらは非開示情報の観点から問題になるものではない。
【委員会の結論】
要件定義書の内容を考慮すれば,IBMの提案を具体性がないとする評価は不当である。

2.運輸支局等職員の本番意向における現行システムの撤去に関する提案
【IBM】
①要件定義書に「設計・開発段階において協議する」としているのに,設計工程で確定させるという提案を低く評価をするのは不当だ。②要件定義書では画面の一部サンプルが提示されているだけであり,内容として不十分である。
【調達機関の主張】
①設計段階でも,評価の対象となると明記されており,それを認識するべきだ。②関係調達機関は積極的に提案を即していた。③要件定義書の内容は提案するために十分だ。
【委員会の結論】
設計工程で確定させるとした内容に沿った申立人の提案を低く評価することは不当である。

3.運輸支局等の本番移行における現行システムの撤去に関する提案
【IBM】
①現行システムの撤去を考慮していないで低評価となっているが,現行システム業者が撤去を行う旨要件定義書に記載されており,役務として要求されていない事項で評価をすることは不当だ。②現行業者との連絡体制や役割分担まで求めるのは,実際に打合せが必要であり,提案時点では不可能である。
【調達機関の主張】
①要件定義書に撤去した上で移行を行うため,既存業者と調整して移行実施計画を作成することと記載されており,この点が評価に入るのは明白だ。
【委員会の結論】
申立人は関係者と調整が困難であり,不当な評価である。

4.到着許容時間に関する提案
【IBM】
①保守到着時間は設計段階で拠点ごとに目標値を検討すると要件定義書にあるのに,保守の駆けつけ時間がかかれていないことで,評価が低いのは不当だ。②出張検査場に設置されたシステムへの保守体制が欠けていると評価されているが,その情報が開示されていない。
【調達機関の主張】
①評価項目に,保守体制を整備できるような拠点と要求しており,要件定義書と合わせ検討すれば,具体的に提案するのは明白だ。
②出張検査場に関する提案が要求されているのは明白であり,その欠落は当然に低評価となる。
【委員会の結論】
設計工程で確定させるとした内容に沿った申立人の提案を低く評価することは不当である。

以上のように結論としては,IBM側の主張を全面的に認めた結果となった。これを踏まえて,政府調達支援を実施している身としては,今後の調達において同様の評価項目を作成したり,評価を行うことを絶対的に避ける必要がある。このような苦情によって,プロジェクト自体が停止するのに加え,その処理に膨大な時間を取られることは,関係部署に大きな困難を招くことが予想される。それは絶対に避ける必要がある。仕様書の内容をしっかりと吟味して,公平な入札が保たれているかを担保するのが,我々のようなコンサルタントに求められる役割だろう。
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コメント

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よく分からないまま書くけれど。
コメントA2 | URL | 2009-01-27-Tue 22:22 [EDIT]
僕には、IBMが苦情をなぜ先に言わなかったのか、と思ってしまう。
仕様書が出たときに、質問期間はあったんじゃないのかな?
仕様書のレベルを超えて提案できる能力が求められているハズ。。

NTTデータがIBMと同条件だったことが前提ですけど。
入札・契約等の透明性って難しいねえ。

ちゃんと仕様書を書けて、提案書を評価できる人が行政側にいればいいんだろうけれど。
コメントしんご | URL | 2009-01-28-Wed 09:42 [EDIT]
負けたから苦情を言ったというのが本当のところじゃないかな?
勝ってたら何も言わないということでしょう。
ただ,意見招請においてもIBMはちゃんと質問をしていて,それに対する
当局の返信が曖昧だったという状況らしいよ。曖昧なままその返事で
終わらせていたのはIBMにも責任があると委員会は述べているので。

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