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今回の尖閣諸島問題の裏側を考える①
2010-09-28-Tue  CATEGORY: 政治・社会への雑感
今回の尖閣諸島をめぐる日中の衝突について、メディアや識者が語っていることとは少し違った視点で、整理する必要があると思います。中国側が、なぜこのように強硬な姿勢をとるようになったのか、民主党外交の何が過ちであったのかを知るために重要だからです。


それは『尖閣諸島問題における原理原則を破ったのは、日本側である』という視点です。


尖閣諸島問題の領有権がどちらにあるのか、歴史的に国際法的に議論することはあまり、この時点では意味があることではないでしょう。多くの報道で述べられているように国際法的には日本が有利にあることは間違いないことではあります。しかし、中国との外交として考えると、この問題は以下の原則によって扱うべきものとなっていました。


『尖閣諸島問題は棚上げにする』


1978年に日中平和友好条約が締結され、日中の国交正常化が達成されました。毛沢東時代が去り、小平が国家主席として最高指導者となることで、現在の中国の基盤ともなる改革開放政策が開始されます。それは社会主義の原則を残しつつも、経済は実質的には資本主義化していくという方向性です。現在の中国の繁栄はこのときからスタートしたのです。


この条約の締結の際に日本側は、尖閣諸島の日本の領有権を中国に認めさせる予定でしたが、中国側も譲ることが出来なかったため、「この問題は棚上げにして、将来的に共に解決していきましょう」と、『棚上げ』するということで一致しました。



近年において中国の経済発展に伴い、海洋資源や東シナ海の安全保障戦略の拡大が目立つようになり、中国側が経済的にも軍事的にも強くなっていった背景が強硬論の背景にはありますが、それでも中国は棚上げ原則だけは守っていました。東シナ海におけるガス田開発も、日本の領海との境ぎりぎりを保つことで、尖閣諸島を基準とした領海線を越えてくるという一線を越えることはありませんでしたし、採掘は開始せずに日本側と交渉の席は設けていました。また、法律を制定するなどして尖閣諸島は自国の領土であると強く主張しながらも、実際の実力行使まではしないという方針はたもっていました。


日本側はどうでしょうか。2004年に香港の活動家が尖閣諸島に上陸した際には、日本側は逮捕することはせず、国外退去という政治的な判断をくだしました。あの中国との対立が目立った小泉さんですら、領有権を守る立場を見せつつも、中国との棚上げ原則は守ってきたのです。



船長を逮捕し、法律による対応を粛々と行うということは、長年守られてきた『棚上げ原則』を破棄するということを意味したのです。


中国にとってそれを認めるということは、尖閣諸島における日本の領有権を認めることを意味します。それは棚上げではなく、実質的に領土保有自体の明確化につながる、中国として”絶対に”認められないものです。


つまり、中国側から見れば、尖閣諸島における棚上げという原理原則を破り、問題を深刻化させたのは日本政府だということなのです。


そして、この問題をさらに深刻化させたのは、日本の対応において、中国側には妥協点が一切なかったということです。

適切な外交交渉であるならば、一定の落としどころや、妥協する余地を残しながら、その幅をめぐって交渉をしていきます。しかし、日本側の最初から一貫した主張は「国内法において粛々と対応する」という一点だけであり、そこには中国側が妥協する余地は何一つありませんでした。「国内法において粛々と対応する」とは、つまり、中国としては「日本の領有権を認めるか、断固として反対するか」という、2択しか残されていないのです。その上で、経済や軍事が発展し、日本側に対して圧力カードを多々持っている中国側にとっては、強硬な態度に出るのは、合理的な判断であったと思います。


ここからくる日本側の視点としては、あまりに日本外交が稚拙すぎるという一点でしょう。日本側の対応を考えるためには以下の4段階で解決を考えていく必要がありました。


1.中国船員を逮捕するか否かの判断
2.中国船員と共に中国船長を強制退去するか否かの判断
3.中国側の強硬な態度に軟化して、船長を解放するか否かの判断
4.中国船長を起訴するところまで進めるか否かの判断


1.中国船員を逮捕するか否かの判断
民主党として最初に判断を迫られたのは、海上保安庁が中国船員の身柄を確保した段階でした。海上保安庁は即日に逮捕するわけではなく、政府に逮捕するか否かを打診していたため、逮捕に1日のズレがあります。ここで国交大臣の前原氏、もしくは外務大臣の岡田氏に判断が打診されているはずです。そして、両氏もしくはどちらかが、逮捕する許可を下しました。逮捕するということは、「中国と尖閣諸島問題でやりあうか否か」を決定するものでした。この時点で両氏は棚上げ論や中国の反発を軽視していた可能性が高いのです。また、中国の反発を受けてどのように問題が進展していくのかについて洞察力も両氏には欠けていたようです。これが民主党の稚拙さの1点めです。

この尖閣諸島問題の最も日本にメリットがある段階は、ここで以下のような判断をすることでした。

領海に侵入して妨害した船に対しては臨検して、拿捕するが、逮捕せずに国外退去処分を行う。

これにより、日本の領海における執政権を示し、中国漁船に今後も圧力を加えていくことが明示することができます。また、中国において反日運動や政府の批判は当然に発生することでしょうが、船員を帰すことで中国政府としての面目が保たれるため、最小限の衝突に抑えることができたでしょう。これが今回の日本において最も利益が高かった解決策であったと私は考えます。

2.中国船員と共に中国船長を強制退去するか否かの判断
次の段階は、中国船員を帰した際に船長も共に帰すという判断を行うときでした。中国側はこのときまでに、様々な外交ルートを使って、日本側に2004年と同様の政治決着を行って欲しいというシグナルを送っていました。それしか中国政府としては認められなかったからです。それに応じて、船長を国外退去にする、それによって事件を収めることが2番目に日本に利益が大きい解決策でした。中国政府としても国民に説明することが出来るし、日本としても中国との関係悪化を深刻化させないというメリットがありつつも、弱腰とは言われるでしょうが、国外退去処分という方針をとることで、2004年と同様の措置は行ったという風にもアピールすることはできました。


3.中国側の強硬な態度に軟化して、船長を解放するか否かの判断
3番目が今回行った決定でした。予想外に中国が硬化したため、行ったということでしょうが、かなり最悪のタイミングになりました。しかし、次に待っているであろう、国交断絶などのシナリオに比べればメリットがあるものでした。中国側の要求どおりに船長を解放することで、日中関係の悪化から、最悪の結果を回避することができる。というものです。

しかし、実施するタイミングややり方もかなり悪かったように思えます。中国の恫喝に屈したという印象を与えてしまう内容だったからです。その辺りは報道もされているので詳細は割合します。


4.中国船長を起訴するところまで進めるか否かの判断
最後の段階は、一貫した主張のとおり、船長を起訴してしまうと言うことです。これは中国政府のメンツを丸つぶしすることを意味します。よって、中国との国交断絶、日本経済の更なる低迷、などの全てのデメリットを国民全体で許容する覚悟が必要になります。ネット上ではそれで構わないと言う人も沢山いますが、おそらく今の日本では持たないでしょう。よほどの覚悟がいります。民主党政権はその自体は避ける必要があったため、今回の決断にいたりました。




民主党外交の結果としては、一番最悪の結果を避けることは出来たが、それだけでしかありませんでした。一番最悪まではいかなかったけど、その次に最悪の外交結果を生んでしまいました。

それは尖閣諸島の棚上げや、対中外交の原理原則などに対する無知や変な自信がもたらした、党としての未熟さが原因です。また、前原や岡田といった、若く期待されている民主党リーダーにも外交能力がないということが露呈してしまいました。


これによって、失ったものは計り知れません。それは経済や友好関係以外にも多くのものに影響します。

・北朝鮮問題において、中国の協力を得られないことで、拉致問題などの解決はほぼ無理な状況になる可能性があります。経済制裁や外交交渉も中国次第で効果が大きく異なるからです。

・普天間基地問題において、県外移転は完全に非現実てきなものとなりました。なぜなら米軍海兵隊は北朝鮮ではなく、中国のための抑止力として存在しているからです。その意義をなくすには、中国との友好関係を強化することにありました。しかし、今回で米軍の意義は高まり、より強化する必要性が明確になりました。

・東南アジア諸国における失望が高くなったでしょう。日本と同様に中国に領土争いを有していた国に対して、日本がリーダーシップを発揮することは困難となりました。

・安全保障理事会の常任理事国入りは絶望的です。中国との関係性次第で決まるものでしたが、これでほぼ絶望的となりました。また国際的にも政治力がないことが露呈したため、支持も減ったのではないでしょうか。経済力も低下し、外交力もないのと分かった日本を、どうして常任理事国にするのでしょうか。他の国はそう思ったはずです。


他にもいろいろあると思いますが、結論として、この問題は日本外交史にまれに見る大失態であることは間違いないでしょう。



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